多くのオフィス、ホテル、商業施設プロジェクトにおいて、HVAC システムは計算上の能力および風量に基づいて適切に設計されています。
しかし、実際に運用を開始すると、利用者から以下のような不満が頻繁に寄せられます。
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あるエリアは寒すぎる一方、別のエリアは暑い
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直吹きの気流による不快感
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期待される快適性が得られない執務・滞在空間
これらの問題の原因は、設備能力ではなく、空間内における空気の分布方法にあるケースがほとんどです。
計算結果 ≠ 実際の体感
従来の設計計算では、以下を満たすことができます。
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総風量
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空間全体の熱負荷
しかし、次の点までは把握できません。
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室内における気流の流れ方
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デッドゾーンやショートサーキット現象の発生
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人が滞在する occupied zone における実際の環境条件
CFD ― 手計算では見えないものを「見える化」
CFD(数値流体力学)解析により、以下が可能となります。
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空間全体の温度分布および気流速度の可視化
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occupied zone における快適性条件の直接評価
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施工前段階での潜在的な問題の早期発見
CFD は基準や規格に取って代わるものではなく、
HVAC 設計が実際の運用条件下で確実に熱的快適性を満たしていることを証明するための有効な手段です。
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